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『World Player Project ドイツ挑戦① -ザールランド編-』

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『World Player Project ドイツ挑戦① -ザールランド編-』

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9/17-22でドイツでさせていただきました平良 陸(たいら りく)と申します。
今回は初日と2日目の活動報告を致します。

ドイツ研修初日はザールランド州にあるドイツ6部のチームの施設見学を行いました。
ドイツのチームには「1.FC」とつくチーム名が多いですが、その地域で1番はじめにできたフットボールクラブという意味があります。
クラブの運営は会員が行い、グラウンドキーパーや試合時のチケット係など多くの人たちチームに関わっています。下部リーグにもフィジオがいるチームもあるそうです。

このチームは人口2000人の町の総合型スポーツクラブで人口の約1/3は会員として登録されています。
総合型スポーツクラブであるためコンテンツは一つだけではなく、このクラブではフットボールの他にテニスやカードゲーム、ご婦人方の体操教室などを行っています。

また、ドイツには学校スポーツがないため、子ども達はこのようなクラブに入ります。
クラブの会費も子ども達は年間約20ユーロと格安で、このような総合型スポーツクラブはドイツ中に約27,000個あり(日本は約3500個)、スポーツ活動だけでなく社交の場ともなっています。
設備については、グラウンドは2面あり、1stグラウンドは主に公式戦を行う天然芝のグラウンドです。
ピッチの周りにはスポンサーの看板があり、地元の企業やLOTTOというドイツ版のtotoなどがスポンサードしているそうです。2ndグランドは人工芝のグラウンドです。ここでは主にトレーニングなどを行っています。

ユース年代もこの場所で練習しています。クラブハウスは3階建てでトレーニングルームや宿泊所を完備しています。また、フリースペースではトランプなどのカードゲームをしたり、談話を楽しんだり、会員の誕生日パーティーも行ったりしています。
また、「ミニピッチ」と呼ばれる小さいサッカーコートがあり、ドイツサッカー協会が子ども達のために、ドイツW杯の際にドイツ中に約1000個作ったそうです。

夕方は別の6部所属のチームで選手達のケアをさせて頂きました。
6部所属といっても日本人選手と比べ身体に厚みがあり、特に背面の筋が発達しているという印象を持ちました。
このチームの選手達はどの部位でも常に強めの圧を要求してきて、強めの圧を好む印象を持ちました。この時間だけは通訳の方を介さずに英語でコミュニケーションを取ることを図りました。

拙い英語で選手の要求を聞いたり、日本から来たんだよ、という談話も出来ました。リスニングは思ったより理解できますが、スピーキングの方で単語が出てこなかったり、発音が上手く出来なく、聞き取ってもらえなかったりコミュニケーションの面で課題も多く見つかりました。

ケアに関しては、トレーニング前だったので一人当たりが短い時間でしたが、関節の詰まりや筋の拘縮を除去し可動域を広げたりなど、選手の要求にある程度沿って出来たので、ケア終わりには「Nice」や「good」など言っていただくことが出来ました。

2日目はザールブリュッケンのスポーツシューレ(オリンピック強化センター)の見学を行いました。
シューレというのは学校を意味しており、この施設ではオリンピックや世界選手権のメダリスト、ユースオリンピックなど未来のオリンピアン達がトレーニングしており、このスポーツシューレがドイツには21個あります。

ここでは、レスリング、バドミントン、ハンドボール、体操競技が強化種目となっていますが、強化種目は各地域によって違います。
施設内では陸上競技場(屋外・室内)、体育館、体操場、ハンドボール場、サッカー場(天然芝・人工芝)、ビーチバレー場、テニス場、プール(長水路)など多くの競技の練習場があり、寮、大学(研究施設)と隣接し、提携している学校も1キロ圏内にあります。
寮には14〜19歳が入っており、学校に通ながら、トレーニングを行っています。

所属している子ども達は、ユースの大会などで優秀な子をスカウトしており、お金は全て国が負担しているそうです。平日はここで個の能力を向上させる為のトレーニングをし、週末に選手がそれぞれ所属するチームに戻り、チームで勝つための練習をしています。

施設内の大学にはドクターや研究者がいます。現場で怪我などがあれば、すぐに診察でき、体調がすぐれなければ、すぐに血液検査をし30〜40分後には結果が出るので、それからDr.と練習ができるかどうかなど話すことができ、傷害や内科的疾患の予防や治療がいち早く出来ます。
ちなみに、ここの責任者はドイツサッカー協会のドクターです。

フィジオルームでは選手の治療やリハビリを行います。フィジオセラピストがおり電気や超音波、渦流浴などの物理療法、マッサージ、ドライニードルやなどの鍼治療なども行っているそうです。
良いと考えるものは世界中のあらゆるものを使うと仰っていました。また、それぞれの競技に特化したフィジオが働いており、常勤ではなく、いくつかのスポーツシューレを回っているそうです。

このスポーツシューレの仕組みは、なかなか日本には無いもので、政治からスポーツを強くしているのだと感じました。また、ドイツの子ども達は単一の競技ではなく、複数の競技をしていると伺い、マルチスポーツという文化も日本と違いました。

ここでの見学は、全ての大人の子どもたちの可能性を引き出し、伸ばしていこうという考えを感じ取ることができ、育成を大事にしているからこそ、ドイツは多くのスポーツにおいてトップレベルのアスリートを輩出しているのだと考えました。

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